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Blenderに効果音を導入しよう
2024/02/27

Blenderに効果音を導入しよう

3Dアニメーションの効果音作成は、プロシージャルサウンドから大きなメリットが得られます。サウンドはモーションとぴったり合う必要がありますが、リニアなサウンドエディタの固定サンプルでこれを実現するのは時間がかかり、困難です。

今回は、GameSynthのプロシージャルサウンドエンジンを活用し、「マーカー位置にサウンドを挿入」や「アニメーションパラメーターでコントロールしたサウンドを追加」が出来る、2つの無料のBlenderアドオンについて説明します。また、独自のアドオンを簡単に作成する方法も説明します。

アドオンをインストール

本連携は、GameSynth Tool APIによって可能となりました。BlenderとGameSynth(バージョン 2023.1.2以降) がPCにインストールされている場合、必要なものは既に全て揃っています。TsugiのWebサイトから無料のアドオンをダウンロードするだけです。2つのアプリケーションはTCP経由で通信するため、追加のインストールや設定は何も必要ありません。



GameSynth AddOns.zipをダウンロードしたら、通常の方法でBlenderにアドオンをインストールします。[編集] -> [設定] に移動し、[アドオン] を選択して、[インストール] ボタンをクリックし、専用ブラウザでアーカイブパッケージを選択し、[アドオンのインストール] ボタンをクリックします。.zipファイルに含まれるアドオンがインストールされます。検索ボックスに「GameSynth」と入力すると、それらを見つけることができます。有効にするには、名前の前にあるチェックボックスにチェックを入れてください。

マーカーに音を書き出し

最初のアドオンは、ビデオシーケンサーのシーケンサービューで使用できます。「追加」メニューで「GameSynth Patch」を選択すると、選択した各マーカーの位置に現在のGameSynthパッチが自動的に書き出されます。 これは、たとえば足音の効果音を追加する場合などに便利です。さらに、パッチにランダム幅が割り当てられている場合、マーカーごとにわずかに異なるサウンドが生成されるため、(バリエーションを含んだ)よりリアルな音となります(シーケンサーでマーカーが選択されていない場合は、再生カーソルの位置に1つのサウンドが書き出されます)。



アドオンの設定ウィンドウでは、サウンドファイルの書き出しフォルダ、ビット深度、モノラル/ステレオ、音を書き出すシーケンサーチャンネルを指定できます。GameSynth パッチの音の長さが無限である場合、サウンドファイルの書き出し時間も選択できます。


以下の動画は、このアドオンの使用方法を実演しています。この場合、マーカーの位置に(つまり、キャラクターが拳を繰り出すたび)わずかに異なる風切り音が書き出されます。GameSynth側で用意したプロシージャルサウンドパッチは、シンプルなNoise Bands ジェネレーターを使用してサウンドを生成しています。


アニメーションカーブを使って音を操作

2番目のアドオンは、グラフエディタ内のFカーブコンテキストメニューにあります。メニューの下部にある「Export to GameSynth」を選択すると、最初に選択したFカーブを現在のGameSynthパッチにエクスポートします。GameSynth側では、1つまたは複数のサウンドパラメーターを操作できるAutomation Curveとして表示され、これを利用することで、3Dアニメーションに完全にシンクロするサウンドを生成できます。



アドオンのダイアログボックスでは、ターゲットカーブ、その尺の長さ(デフォルトではBlender内のFカーブの長さ)、ループするかどうか、およびカーブデータをGameSynthで有用な範囲にマッピングするためのさまざまな前処理オプションを選択できます。


以下の動画は、ジオメトリノードパラメーターを制御するカーブを使って、サウンドをコントロールする方法を実演しています。GameSynth のパッチは、Chaos、Goo、Granular Noiseジェネレーターの組み合わせを使用して、ぴちゃぴちゃとした有機的なサウンドテクスチャを生成しています。


独自のスクリプトも作成可能

プロシージャルサウンド独自のメリットを活用して、アニメーションにサウンドを追加できる、2つの非常に便利な Blender アドオンについて解説しました。しかし、楽しみ方はそれだけではありません。自分でアドオンを書くことも手軽にできます。


(TCP通信などの基本機能を用意しておいた)ベースコードを再利用しつつ、GameSynth Tool APIサイトを参照しながら、GameSynthに送信できるコマンドの詳細を調べていくといいでしょう。APIは、アプリケーション構成、パッチ操作、メタパラメータとオートメーションカーブ処理、リアルタイム再生などの機能をカバーしています。



コマンドの中には、ダイアログボックスの自動作成機能(上記のアドオンで使用)も利用できるため、Blenderアドオンは非常に短いコードで実現できます(パネルの作成やボタンの追加などは必要ありません)。


また、GameSynthリポジトリには1000を超えるプロシージャルサウンドパッチがあり、独自のオーディオマテリアルを作成する前に、実験的に使えるサウンドコンテンツが豊富にあります。


最後に、サポートが必要な場合は、お気軽にDiscordサーバーにお越しください。サーバーには、GameSynth Tool API とそのアプリケーションについて議論できる専用チャンネルがあります。素晴らしいアドオンを開発された際には、ぜひお知らせください。



GameSynth




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