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GameSynthで怖い音を作ろう
今年もハロウィンがやってきました! GameSynthで不気味なプロシージャルサウンドをデザインしてみましょう。本ブログでは、少し不穏な雰囲気音から恐ろしい出来事まで、様々な怖~いプロジェクトで活用できる幅広いサウンドを紹介していきます。
GameSynthの数あるサウンドジェネレーターで、不穏なサウンドスケープ、血なまぐさい衝撃音、幽霊のような生き物などを作り出してみましょう。
衝撃音・摩擦音
ホラー系ゲームや映画の中では、衝撃音や摩擦音は、現実的なというよりも、映画的な効果音として使われることがよくあります。GameSynthのModularモデルで、設計のヒントをいくつか解説します。
- Clangモジュール1つだけで、深くて暗い衝突音のベースを発音できます。さらにSpectral Delayを追加すると、より響き渡るような印象的なサウンドになります。
- 共鳴衝突の場合は、ModesおよびImpactモジュールも活用できます。より映画的な雰囲気にするには、フィルタリングしてNoiseまたはNoise Bandsモジュールと組み合わせるといいでしょう。信号をReverbまたはSpectral Delayモジュールに送ると、サウンドに存在感が加わります。
- Clockモジュールで衝突音を遅めに再トリガーすることで、「ドン…ドン…」と延々と続くリズムを作り出せます。シーンに緊張感を加えることができる方法です。これを低速のGearモジュールで補完すると、不気味な機械音を生成できます。
- Frictionモジュール (metalに設定) と帯域の狭いNoise Bandsモジュールを使用すると、「キィーン」とした奇妙で不気味な摩擦音が発生します。繰り返しになりますが、信号をReverbまたはSpectral Delayモジュールに送ると、より大きく幻想的な効果が得られます。
- 残忍な血が噴き出すレイヤーを追加したい場合は、densityを低くしたGooモジュールか、dripレイヤーのみを有効にしたRainモジュールを使用するとうまくいきます。瞬間的に刺す際の短い滴りは、短い振幅のEnvelopeでジェネレーターを制御し、だらだらと継続的に溢れる滴りは、Perlin Noiseでジェネレーターを制御するといいでしょう。Chorusモジュールを加えると、粘度も表現できます。
生き物
現実の動物から幻想的な動物まで、GameSynthは生物のサウンドデザイン向けのモジュールを多数揃えています。
- 現実の動物としては、AnimalモジュールのAnimalsパラメーターのWolfとBatタイプがハロウィンに役立つでしょう。
- Chorus、Frequency Shifter、Cross Synthetis、Reverbといったプロセッサを追加すると、さらに奇妙な生き物をデザインできます。
- あるいは、GlottisモジュールとFormant Filterモジュールを音源/レゾネーターのペアとして組み合わせると、基本的な発声(フォルマント)が生成され、必要に応じて制御および処理できます。
- NoiseとNoise Bandsは、長短様々なEnvelopeで制御すると、吐息のような声やクリック感のあるサウンドを作成できます。
- よりリアルなサウンドを得るには、EnvelopeまたはAutomation Curveを使用してジェネレーターのピッチを弱く変調させるといいでしょう。また、ゲームエンジンやアニメーション ソフトウェアからカーブをインポートして、サウンドを完全に一致させることもできます。
アンビエンス
以前のブログで、Modularモデルの130以上のモジュールで多種多様なドローンサウンドを作成しました。加えて今回は、さらに不気味で暗いトーンを目指していきます。
- Noise、Noise Bands、またはWindジェネレーターはリアルなアンビエンスを作成するのに適した出発点ですが、よりデザインされたサウンドにはChaosまたはSine Bankモジュールが適しています。
- 共鳴効果を追加すると、サウンドが印象的になります。Resonator、Tube、Cabinet、Comb Filter、およびRing Modulatorモジュールは、ニーズに合わせてサウンドを調整するのに役立ちます。
- アンビエンスにスキャッターイベントを追加して活気を与えるには、LFOまたはPerlin Noiseを使用してModesまたはFrictionモジュールの振幅を制御します。
- LFOを使用して、EQ Filterのfrequencyをわずかに変調し(少しresonanceを加えて)、サウンドに動きを加えることもできます。
- 最後に、現実的なものから異世界のものまで、より広い空間をReverb、Delay、Spectral Delayモジュールで設計できます。Stereo出力の前にこれらのモジュールのわずかに異なる2つのインスタンスを挟むと、より説得力のある空間効果が得られます。
パーティクル
Particlesモデルは、アンビエンスに緊張感を加えるためにも使えます。他のグラニュラーシンセサイザーと同様に、それ自体で複雑なテクスチャを作成できますが、不気味な雰囲気の環境音を完璧に補完する、スキャッターサウンドのレイヤーを生成することもできます。
ほとんどの場合、Delay効果はサウンド同士をつなぎ合わせ、サスペンスフルなサウンドに最適な幻想的なエフェクトを演出できます。血のようなテクスチャやネバネバしたテクスチャを作成したい場合を除き、サウンドが飽和しない程度にエミッタのレートを抑えるといいでしょう。
ボーカルサンプルでは、急激なピッチ変化を避けるために、スケッチパッドのPitchモジュレーションを無効にするか、小さな範囲(100セント以下)に制限するといいでしょう。また、できるだけ自然なサウンドを生成するには、多くのバリエーションを読み込むか、時間の長いファイルを読み込むことをお勧めします。
最後に、Particlesモデルで恐ろしい効果を作成するために自分で (携帯電話や手持ちのレコーダーを使用して) 録音できる単純なサウンドのリストを以下にご紹介します。ただし、これがすべてではありません。
- ゆっくりとした呼吸音: 高めのDelay、低めのRate、長いLifetime設定にすると、一般的な幽霊やその他のエーテル的存在に適した設定となります。
- 邪悪、卑劣な笑い声: 嘲笑する魔女や悪魔まで、たくさんの笑いのバリエーションを簡単に生成できます。
- 手袋をパタパタ揺らす音: 高いピッチモジュレーションを使用すると、コウモリの群れを再現するのに最適です。パーティクル発生のRateは、高くするといいでしょう。
- シェーカー音: Delayを高くすると、サスペンスフルなアクセントが加わります。
- 木/金属のきしむ音: きしむ椅子やドアがある場合は、それらを録音してパーティクルモデルで使うと、ピッチ変調でより表現力豊かなサウンドを作成できます。
- 野菜を砕く音: 古典的なフォーリー作成法ですが、あらゆるゴアなテクスチャに使用されており、Particlesモデルを使用すると、さまざまなバリエーションも簡単に作成できます。
GameSynthは、100%プロシージャルにサウンドを生成するModularモデルだけでなく、手持ちの音源をミックスして音をデザインするParticlesモデルも備わっており、そのどちらも、不気味なサウンドを作成する機能が揃っています。それではみなさん、ハッピーハロウィン!
