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2020/12/02

GameSynthで不穏感漂うホラーBGMを作曲しよう

竹本晋太郎

ホラーゲームは、個人制作でも作りやすく、ゲーム実況するにも面白い、根強い人気ジャンルである。

恐怖を演出するのにはビジュアルだけでなく、「ドン…ドン…ドン…」「オ”オ”オ”オ…」など不穏なBGMを流すのも効果的だろう。

だが、ゲーム開発者の中にはDTM(作曲)ツールや音源のノウハウがなく、仕方なしにフリーの音楽素材に頼るしかない人も多いと思う。

GameSynthのビジュアルパッチモデルには、効果音だけでなく、ホラーやサスペンス向けの心理音響演出に役立つ機能もあり、楽譜が読めなくてもその手のホラーサウンドを作成できる。

今回はそのアイディアを紹介していこう。

映画からインスピレーションを得よう

和製ホラー映画では、怪異が登場する前触れとして真綿で締めつけるような、陰湿でじっとりとしたBGMが流れる(これが醍醐味なのだ)。そういったホラー音楽には以下の特徴がある。

・単純な旋律繰り返し
低音のドン…ドン…
化け物の息遣いのような音
・薄暗いシンセ・ホーン音

今回はこれを再現するため、GameSynthの下記のモジュールを使ってみよう。

組み合わせて作った例が、下のパッチになる。ブログ下部のDOWNLOADボタンからパッチをダウンロードし、自身のGameSynthでファイルを開けば、仕組みやアイディアが掴めると思う。

またほかにも、ホラー作品でGameSynthを活用していくアイディアを紹介しよう。

アイディア①:ランダム生成が、どんどん音のアイディアを生み出す!

GameSynthのModularモデルには、「Ctrl+P」で、ランダムにモジュールを設計してくれる機能がある。

あくまでツールがランダムに作り出すため、出来上がってくる効果音には抽象的なサウンドも多い。こういう「抽象的なサウンド」は、ホラーでいうところの「奇怪な音」であり、クリーチャーの動作音やホラー表現に使えそうな音でもあるのだ。

下図のように、偶然気に入った結果が出てきたらとりあえずプリセットにセーブし、アイディアの種としてブラッシュアップしながら使っていくと面白いだろう。



アイディア②:ランダムバリエーションで、旋律に変化をつけられる!

パッチを見ると、黄色の帯(ランダム幅)や、黄色のチェックボックス(ランダムセレクト)がいくつか設けられているのが分かる。こうすることで、音がトリガーされるたび、ランダムにパラメーターが決定していくため、BGMの雰囲気が自動で少しずつ変わっていく

プロシージャル生成ならではの音のバリエーション生成が、こういったBGM演出でも生きる例とといえるだろう。



アイディア③:ステレオモジュールで空間に広がりを!

もっとステレオ感の利いたBGMにしたい場合は、Stereo Outputモジュールを使うといいだろう。以下のパッチは、似かよった「ドン」音を左右に設けることで、ボス戦のようなドラムを試作している。



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