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2020/08/28

GameSynthで、クラフトワーク風テクノを作ろう

ニコラス・フールネル

GameSynthの最新バージョンに搭載されたPattern(パターン)モジュールを使うと、リズミカルな音楽ビートも作成できます。今回は往年の電子音楽グループ、クラフトワークを連想させる、怪しげなエレクトロポップ音楽をGameSynthで作ってみましょう。

上の動画の通り、最初にドラムパターンが再生され、続いてリバーブ処理された電話トーン(ホワホワーン…)が再生されます。それがもう一度繰り返された後、最後にレトロなコンピューターサウンド(ピロロロ…)が流れます。これらの制御を見てみましょう。

ドラムパターン

GameSynthの最新版2020.1より登場したPattern(パターン)モジュールを使うと、音楽やビート、機械的な音響効果音などが作成できます。今回はテンポを120BPM、8ビートパターンで、4回ループさせました。4行のセルは、それぞれモジュールのトリガー出力に対応しており、マウスでマトリックスの編集が可能です。

上図の通り、今回はビートパターンとして、以下のモジュールを繋げています。
パターン1番目:バスドラム(低周波数に設定したImpactモジュール。短いアタックとディケイを持ちます)
パターン2番目:ビーム(Beamモジュール。さらにEnvelope(エンベロープ)モジュールによって、ビームモジュールの振幅等を変調して、短いスイープ音としています)
パターンの3番目:ピッ音(電話音を発音するDTMFモジュール
パターンの4番目:ビロッ音(Blipモジュール。音にややFMシンセシスなタッチを与えます)


これにより、音楽の柱となるサイコなビートが刻まれていきます。

電話のトーン音

ドラムパターンが4回ループすると、リバーブ処理された不気味な電話音が再生されます。今回使っているDTMF(電話)モジュールは、実際に電話通信で使用される信号を発音する装置で、Dual-Tone Multi-Frequencyの略になります。また、 入力された電話番号のトーン音は、ドラムパターンを補完するように調整されています。
その下でDelay(ディレイ)モジュールを繋ぐことで、フレーズに空間的な残響効果を与えています。

この電話音と前述のビートは、Looper(ループ)モジュールに送られることで、繰り返しループ再生される仕組みです。

パッド

「コオオ…」という緊張感のある高音は、Particlesモデルを使って作ったパッドサウンドです。 本作ではPatch Player(パッチ再生)モジュールを介して、パッチを発音しています。

また下図の通り、音にLFOを加えることで震わせ、音におどろおどろしさを与えています。
さらにGain(ゲイン)Automation Curve(オートメーションカーブ) を使って、楽曲の中で欲しい時にだけ音が流れるようにしています。

レトロなコンピューター

楽曲の最後で流れるコンピューターサウンド(ピロロロ…)は、Retroモデルを使って作っています。
同モデル内で用意されている「SuperComputer」というプリセットを使っており、このようにアルペジエーターを活用することで、ちょっとした音楽フレーズも作成できます。

自作ゲームの中でちょっとした音楽を入れたい、でもDTMツールや楽譜がわからない…」 といった際、GameSynthを使ってこのようなミニマルなリズム音楽を作成するのもアリでしょう。
もちろん、ドラムやビート素材を別に持っていれば、Sample Player(サンプル再生)モジュールを使って、それらを音源にビートを設計するのも便利です。

Tsugiブログでは、こういったツールのユニークな使い方も随時ご紹介していきますので、アイディアの一助になれば幸いです。

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