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2019/01/31

衝突音・摩擦音モデル(Impact/Contact)を使ってみよう

GameSynth搭載のImpact/Contactを使うと、下のサンプルのような、木・金属・ガラス・プラスチックなどさまざまな材質の 衝撃音(コン・カーンなど)、摩擦音(ガラガラ・ズルズルなど)といった物理的な音を作成できます。

※上記のサウンド例は、複数音のミックスやエフェクト適用を行っていない、ツールで生成したままの効果音サンプルなります。必要に応じて、下図のようにModularモデルにて、PatchPlayerモジュールを用いてパッチ音を呼び込み、各種エフェクトモジュールをかけることで衝突音を編集することも可能です。


またもちろん、GameSynthの機能であるランダム幅や、バリエーション書き出しによって、無数のサウンドバリエーションを手早く量産することもできます。

モデルの使い方

本モデルは、下図のとおり4つのパートに分けられています。

① 衝突物の共鳴モード

このエリアでは、木・金属・プラスチック・ガラスなどの材質の共鳴成分(響く成分)を設定できます。

下の動画のように、画面右下の材質ボタンを押して各素材ライクな響きをランダムに作れるほか、画面左のオレンジのノードの位置や高さを微調整することで、響きの調整が可能です。

画面右上には、「ピッチ」「ダンピング」衝突の強さ」といったパラメータが備わっています。またパラメータにランダム幅をアサインすることで、多量のバリエーションが自動で作成できます。一方、「モジュレーション」値をもたせることで音に揺れが生じ、マンガ風のデフォルメ衝突音にチューニングすることもできます。


また本エリアには音声分析機能も備わっており、以下の動画のように、手持ちの衝突音サンプルをドラッグ&ドロップすることで、効果音サンプルに含まれている共鳴成分を簡単に抽出することができます。 ダンピングやピッチに幅をもたせることで、よりリアルな衝突音バリエーションを簡単に作成できるでしょう。

② 衝突ノイズ

衝突の瞬間に発生する、「共鳴しないノイズ成分」をこのエリアで設定します。ほとんど響かないような物体材質(たとえば皮製品)の場合、この設定エリアで生まれる音がメインとなります。
本パートでは、以下の3種類の音をミックスすることで、衝突ノイズを作成できます。

①Band-Limitedノイズによる鋭い衝突ノイズ
②グラニュラーノイズによるソフトな衝突ノイズ
③(場合によって使用する、手持ちの)サンプル効果音

これら3つをミックスすることで、衝突ノイズをデザインできます。

Impact Noise

③ 摩擦表面

摩擦表面のジェネレーティブアルゴリズムが備わっており、摩擦表面の状態をここで細かく設定できます。

設定を「Bumpy」にすれば、荒っぽい摩擦(ゴンゴン…ガラガラ…)となり、
「Smooth」にすれば、滑らかな摩擦(サラサラ…ズルズル…)を表現できます。

凹凸の頻度やラフネスを細かく設定できるため、あらゆる物体摩擦のシミュレーションが可能です。

④ スケッチパッド

マウスや手持ちのペンタブレットでスケッチパッドに線を描くことで、これまでの設定を反映した摩擦音が生み出されていきます。


本モデルでは、上の動画のように、スケッチパッドの背景に手持ちの画像ファイルを読み込ませることができます。
マウスポインタ上のドット色をリアルタイムで読み取り、その明度やRGB値によって、摩擦表面の具合を変調させていく仕組みです。 あらかじめグラデーションやタイル状の画像を用意しておけば、それを「凹凸がまばらな表面」として認識されるため、単調でないめりはりのある摩擦音の作成に役立てていくことができます。

本モデルで衝突音・摩擦音を作るにあたり、あらかじめ各パラメータにランダム幅を適用しておけば、無数のバリエーション効果音アセットの作成 → Wwise、FMOD Studio、ADX2、Unityなどへのエクスポート作業が手早く行えます。
もちろん、ミドルウェア側に送る上でのコンテナ・イベントなどの設定も、反映されます。

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